フランスのスーパーマーケットで買える生理用品事情
ようやく最近、来たる2021年には日本でも緊急避妊薬が薬局が買える!というよろこばしいニュースが届いた!
このニュース自体はよろこばしいんだけど、「いやそもそも今さら?」という気持ちや「結局いくらになるの?5万とかしたら嫌だ」という気持ちや、相変わらず蔓延る「薬局で手に入ると悪用される」「値段が安いと悪用される」などという、どこからつっこんだらいいか分からないような呆れた気持ちがふつふつと湧いてきてしまうことも事実。(悪用されることの諸悪の根源は、緊急避妊薬に手軽にアクセスされることではなく、悪用する輩がいることなのに!)
まだまだ、価格の問題や薬剤師がどのように説明するか・ケアを届けられるかなどの問題はあると思いますが、とにかく大きな第一歩。ここで一息ついている場合ではないな~とも。
海外(フランス)の女性にまつわる事情はどうなっているの?
フランスでは、緊急避妊薬(Pilule de lendemain)は薬局で3~6ユーロ(約400円~800円)ほどで購入できる。実際に買ったことはないのですが、薬剤師がきちんと相談にのって処方してくれるそう。
フランスでのメジャーな避妊方法は女性のピ
ル接種だったり、そもそも歴史的に避妊が法律違反だった時代からその改正までの権利運動だったりとか、フランスでは無痛分娩が当たり前なこととか、興味深い話はたくさんある。
興味がある方は下のリンクからどうぞ。
フランスのスーパーマーケットで買える生理用品
そんなこんなで、わたしの関心があれこれ高まっていた時に、フランスのスーパーマーケットMONOPRIXの生理用品コーナーを色々チェックして、びっくりしたのでご紹介します。
・生理用品の種類が多様!
・なんでもスーパーマーケットで買える!
・パッケージがシンプルでかわいい!(冒頭の写真見てもらえれば分かるけどピンクピンクはしていないよね。)
「月経カップ」
ひとつめは、「月経カップ」。
日本ではインターネットや大型の薬局でしか目にしないような、「月経カップ」が普通に売っていた。血液の量で2種類選べる。ずっと試してみたいと思っていたので、購入。
スーパーでは21.9ユーロ。日本円でおよそ2700円。(ちなみに、ここより大型薬局のほうがやや安かったので、わたしはそちらで購入しました。たぶん17ユーロ(2100円くらい)だったかな。同じ製品。ただし、今から紹介するほかのものは、スーパーマーケットのほうが品ぞろえ豊富でした。)オンラインなどで日本で買うと、ブランドにもよるけど3000円~5000円らしいので、それよりはちょっと安いくらいかな。
ドイツの「メルーナ」、アメリカの「スクーンカップ」などのブランドが知られているようだけど、これはフランスのブランド。
「布ナプキン」
続いては布ナプキン。布ナプキンってネットで買わなければならないものだと思っていた!気軽に手に入れることができるのはいいこと。わたし自身は「ずっと試してみたいと思っているけど、現物見れずにオンラインで買うのはちょっと面倒だな~」と思ってずっと先延ばしにしてきたので、そういう人たちにとって。こうして簡単に手に入るのはハードルが下がるのでとても重要。
使ってみたけど、蒸れなくてとてもよい!がしゃがしゃと音がしないのもうれしいポイントだった。月経カップと併用したりするとゴミもでないし、夜寝るときも安心でよかった。
「生理用パンツ」
サニタリーショーツという概念はあまりないようで、一昔前の留学ハウツーなんかには「女の子はサニタリーショーツを日本から持参すると便利」なんて書いてあった記憶があるけど、生理用の血液を布が吸収してくれるショーツはあっという間に浸透しているよう。
これも日本だと、オンラインでは扱われているはずだけど、なかなかスーパーマーケットでは買えないよね。「ずっと試してみたいと思っていたけど面倒……」とこれまた思っていたわたしは、これも買ってみた。
シンプルだし、ふつうのショーツのように履けるので快適!ただ、一枚しか持っていないと交換が難しい。結局履き替えたうえに他の生理用品を用意して......となるので、使い時は選ぶかも。
「タンポン」
タンポンやナプキンの使い捨てによる環境問題にも関心があるので、より地球にやさしい・肌にやさしいものを選びたい、という気持ちがあり。これはデザインがかわいくて、オーガニックだったので購入してみた。
100%コットンの表示もあり、「ZERO SUBSTANCE TOXIQUE」(有害物質ナシ)とのこと。
インディケーターが付属していないやつだったので、ちょっと使う自信はないんだけど……。毎度毎度あのプラスチックのインディケーターを消費するわけにもいかないので、練習してみてもいいかな、という気持ちに。(でも手が血だらけになりそうでちょっと気になる。)
最近、無印良品でもシンプルなデザインの生理用品が発売されて話題になってたよね。
「デリケートゾーン用ウェットティッシュ」
これは生理用品でもないので、おまけ情報ですが、わたしはいつも海外に行くとこういうウェットティッシュを購入することにしている。特に海外だとトイレにティッシュペーパーがないことも多いし、ビデももちろんないし、TOTOトイレに出会うこともないからかばんに一つ入れておくと重宝する。
日本にも自分用のお土産で買って帰る。もちろん日本にも同様の製品はあるんだけど、制汗のティッシュと同じくらいの大きさがあったり、とにかくとにかくパッケージがださかったり、と辟易するので、日本ではあまり買わない。大きな薬局とかじゃないと手に入れられなかったりするし。
これは、フランス礼賛ではないので、フランスの生理用品が日本のものと比べて劣っている点も一応述べると、大衆的ブランドのalwaysやNanaのナプキンはワンタッチで紙からはがせるわけではないのが面倒っていうこと。日本のものは、ワンタッチですよね。それに開くときにカシャカシャ音がしないものも多い(わたしはそういうものを選びます。外出先のトイレで気にならないし、ビニールっぽい素材じゃなくて不織布なので、いいかなと思って)。
と、いうわけでいろいろ購入して帰国しました。はやく試せるのが楽しみなので、妙に生理が楽しみなんだよね。PMSがひどいので、根本的にはいやなんだけど、ちょっとでも楽しみ、と思えると本当に気が楽です。
まとめ
フランスでは新しい生理用品がとにかく手に入れやすい。そして種類が多いので、選べる選択肢が多い。一方で、一般的なナプキンのクオリティはやはり日本のもののほうが高いし、便利に感じる。
立ち返って日本のフェムテックは
日本でもずいぶんフェムテックは輸入されてきているし、性の話や女性特有の生理現象についてもっとオープンに話そう、という風潮は生まれつつある。でも一方で、そうしたフェムテックは高価で、絶妙に手が届かなかったり、嗜好品のように扱われている。
というかそもそも、最もスタンダードな、必要最低限であるような、ナプキンやタンポンに軽減税率が適用されていないってどういうことなの?!と怒り狂いたくなるので、フェムテックだけの問題ではない。テック以前の問題だ。
すべての女子が逃れることができなかった苦痛や苦悩に対して、解決・軽減をうながしてくれる選択肢がようやく増え始めてきた。選択肢が増えた今、そのすべての選択肢に、すべての人がアクセスしやすいようにしていかなければならない。
とか、さも偉そうに言ったけど、「フランスで見たスーパーマーケットみたいに、日本でもいろんな生理用品を手に取って検討できて、簡単に試せて、自分に合うものが見つけられるようになったら、わたしにとって本当にいいな~~~」と単純に思っているだけなのだ。わたしにとっていいことは、きっとすべての女性にとっていいことだし、すべての女性が少しでもより快適に過ごせるのなら、それは男性含めてすべての人にいいことだよね。
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